老樹守とナダルの種──物語の始まりを告げるしるし

それはまだ“ポムの樹”が今ほど知られていなかった頃のこと。 風の吹く丘に、一本だけ立つその樹の根元にいつしか腰を下ろすようになった、ひとりの老いた男がいた。 名は オルゴ・ナダル。村の子どもたちは親しみを込めて彼を 「老 … 記された頁を開く老樹守とナダルの種──物語の始まりを告げるしるし