ここはペスカドル海。
風は穏やかに吹き、海はどこまでも青く広がっている。
その海を泳ぐのは、双魚の兄弟――
銀魚ジョニー・ダンクと金魚ビリー・ダンク。
今日もふたりは、「どちらが世界の海を早く一周したか」で大喧嘩。
いつだって本気で、元気いっぱい。
そして驚くほどそっくりな兄弟だ。
そんな様子を船上から眺めていたのが、大海賊デルニエ・ボン・ヴォヤージュ。
彼は航海日誌に、こんな言葉を書き残したという。
「戦いとは、ただ相手を倒すことではない。
本当に立ち向かうべき相手は、
いつだって己の中にいる。恐れ、迷い、諦め――
それらを乗り越えた先に、
人は新たな水平線を見るのだ。」
ジョニーとビリーが競い続ける理由も、きっと同じ。
昨日の自分を越えるために。
立ち向かえ。
闘え。



